ごあいさつ


この4月より県高等学校文化連盟の会長に就任いたしました、那賀高校・校長の歌保晴です。
日頃から、熱心にご指導いただいております、各学校の文化部顧問の先生方や指導者の皆様に敬意を表しつつ、
これからは皆様方とともに和歌山県の高校生の文化部活動を支えていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、高等学校には体育連盟、野球連盟、そして文化連盟という全国規模の組織があることはご承知の通り
です。
それぞれに全国高等学校総合体育大会、全国高等学校野球選手権大会といった全国大会があり、日々練習と

研鑽に励む高校生たちの大きな目標となる舞台が設定されています。
同じように文化連盟にも「全国高等学校総合文化祭」があり、1977年、昭和52年に第1回が千葉県でスタートし、毎年夏に開催されてきています。今年が佐賀、来年が高知、2年後の和歌山が第45回、そして東京、鹿児島と続き、47すべての都道府県における開催が一回りします。

この全国高総文祭は、総合開会式と各部門による発表で構成されており、毎年、全国から約2万人の生徒や関係者が、その開催地を訪れます。私は高文連副会長として、昨年の長野大会総合開会式に参加しました。
秋篠宮ご夫妻のお成りがあり、12時30分に始まった開会式は約2時間半の長さでしたが、この間、私は時間の経つのも忘れ、ひとときも退屈な思いをすることなく、繰り広げられる演奏や演技に惹きつけられていました。会場の雰囲気からも、このように感じたのは私だけはなかったと言えます。何故、観る者にあれ程までの感動を与えられたのか、私なりの考えを書きます。
一つには、主役が高校生であるということ。舞台で演じているのが高校生であるのは言うまでもなく、司会進行も高校生、開会宣言も高校生、実行委員長あいさつも高校生。大人が登場したのは、大会会長、文化庁長官、長野県知事あいさつと秋篠宮殿下のお言葉だけでした。高校生が一途に見せよう、伝えようとする思い、既存のものにとらわれない新鮮さ、これら高校生だからこそ出せる力が感じられたからだと思っています。
中でも、ここまでできるのかと思わせてくれたのは、実行委員長を務めた伊那北高校3年の桐山尚子さん。「信州総文祭が今、開幕します。私たちにしかできないハーモニーをつくり、あふれる情熱を作品に、舞台に込めよう。ここ信州で輝こう」という堂々とした挨拶。ここに至るまで取り組んできた自信に裏付けされた響きがありました。もう一人は、司会を務めた松本深志高校3年の根津葵さん。プロの女子アナと遜色ない、声のトーン、間合い、落ち着き、本当にりっぱに進行役を務めてくれました。
高校生の力はそれだけではありません。

みすずかる 信濃に若木は 競い森を深める

山脈(やま)わたる 風に種子(たね)を拡げて

これは長野大会テーマで、高校生が考えたものです。このテーマにちなんで、大会に参加する高校生2万人に「花の種」をシードペーパー(花の種を古紙に漉きこんだもの)にして配っていました。
第2の要因は企画力。演劇部門の5名が繰り広げるストーリーの中に、各部門代表の生徒が奏でる音楽やダンスパフォーマンスがあり、韓国、アメリカ、オーストリア、中国という海外招聘国の生徒による演奏・演技も組み込まれ、全体が切れ目なく繰り広げられていく構成になっていました。ハイブリッド形式によるステージと言うのだそうですが、この形式にした理由は2つあったそうです。第1の理由は、総合開会式で一つでも多くの部門を紹介し、翌日から長野県各地で行われる各部門を鑑賞してもらうきっかけにしてもらいたいという願い。もう一つの理由は、生徒実行委員になってから成長してきた自分たちの姿を表現したいという思い。この二つを形にするために辿り着いた彼ら独自の形式だそうです。 そして、フィナーレ間近にクライマックスは訪れました。舞台と会場の側面にまで配置された合唱隊、舞台正面の大オーケストラにより演奏された、ベートーベン交響曲第9番「合唱第4楽章」は、観客全員の魂が揺さぶられる瞬間でした。

「天の時は地の利に如(し)かず、地の利は人の和に如かず」という故事成語があります。これは、中国戦国時代の儒学者である孟子の教えです。どのような意味かと言いますと、天運があっても、地の利がなければ勝てず、地の利があっても人の和がなければ勝てないという事で、何をするにも人の和が最も力の源となり、次に大事なのが有利な状態で戦うという事、最後に運や戦うタイミングが重要であると教えています。 今回、会場となった、まつもと市民芸術館は、全国で優良ホール100に選ばれている音楽ホールであることから、地の利はありました。しかし、最も大切とされる人の和について言えば、信州総文祭に関わった長野県の高校生の数に圧倒されるとともに、そのチームワークの素晴らしさがひしひしと伝わってきました。長野県の人口は、和歌山県の約2倍、高校の数も約2倍ということから、長野県には文化部活動をしている高校生が2倍いると試算できるかもしれません。とすれば、和歌山の高校生は、和の力を2倍にしなければならないことになります。

平成の御代が幕を閉じようとしています。新しい元号は来月一日に発表ですが、芸術・文化には元号のような明確な切り替わりがありません。今、和歌山は2021年夏の全国高等学校総合文化祭に向けて、県教育委員会と県高等学校文化連盟がそれぞれの役割を踏まえた上で準備に努めています。県内文化部で活動する生徒はおよそ6500名、これらの皆さんが、自らの輝きを放てる場、たくましい創造性を見せる場を用意することができればいい、そしてそのような場で、一人一人が、自分たちらしさを大切に、より高みをめざして鍛え上げていってくれればいい、また、仲間とともに情熱を込めて取り組み、心を重ね合わせる仲間を作っていってもらえればいいと願っています。
最後に、引き続き、県教育委員会をはじめ、関係する諸団体の皆様方のご協力、ご支援をお願いして、就任にあたってのご挨拶とさせていただきます。


県高等学校文化連盟会長として2年目を迎えました。昨年は、秋の県高等学校文化祭総合開会式をはじめ、各部門の高文連関係事業並びに全国高総文祭に向けた準備において多大なるご尽力をいただきましたことに感謝申し上げます。日頃から、熱心にご指導いただいております、各学校の文化部顧問の先生方や指導者の皆様に敬意を表しつつ、これからも皆様方とともに和歌山県の高校生の文化部活動を支えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、令和3年度に「全国高等学校総合文化祭きのくに和歌山大会」を控え、今年は秋にプレ大会を開催する運びで進んで参りましたが、ご承知のとおり昨年度末からの新型コロナウィルス感染症の多大なる影響を受けています。東京オリンピックを筆頭に世界的な大会やコンクールが延期や中止となっています。これに伴って、体育文化両面における高校生の活躍の場が奪われてきていますし、また今後の見通しも立たない日が続いています。歴史上、これらの大会等が中止を余儀なくされたのは、世界大戦によるものであった以外にないことを鑑みますと、この新型コロナウィルスの脅威がいかほどのものであるかと感じざるを得ません。 そのような中にあっても、私たちは立ち止まることなく、ましてや後ろを振り返ることなく、来年の「全国高総文祭和歌山大会」に向けて、また今秋のプレ大会に向けて準備を進めていかなければなりません。そして何より、このような状況下にあって何ができるかを模索し、それが実現できるように努力していかなければならないと考える次第です。高校3年生にとっては一度きりの高校3年生です。2年生にとっても1年生にとっても同様です。県内文化部で活動する生徒はおよそ6500名、これらの皆さんが、自らの輝きを放てる場、たくましい創造性を見せられる場を、一刻も早く取り戻すことができるようにと思っています。  最後に、引き続き、県教育委員会をはじめ、関係する諸団体の皆様方のご協力、ご支援をお願いしてご挨拶とさせていただきます。

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